実験的動揺病を偽コリオリ刺激で誘発し, その負荷前後でのOKN, OKANの変化から動揺病の適応過程を考察した。その結果, 負荷を重ねるごとにOKAN第1相の解発は減少傾向を示し, 第2相は有意に増加傾向を示した。また, 動揺病症状は適応とともに軽減した。OKAN第1相はindirect pass-wayを反映した出力情報であり前庭神経核の活動であると考えられている。動揺病の誘発とともにOKAN第1相が抑制され, 第2相が充進されたことから動揺病の適応過程に前庭神経核の変化が生じたものと考えられた。