耳鼻咽喉科展望
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スペーサーに沈着するエアロゾル粒子についての検討
今田 正信野中 聡
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1999 年 42 巻 Supplement2 号 p. 172-175

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抄録

エアロゾル療法において粒子の速度を変化させる装置としてスペーサーがあり, これを使用することにより発生装置からの粒子の速度を減少させ, 自発呼吸によって吸入することにより, 下気道への薬剤の到達を増加させることが可能となる。しかしエアロゾル粒子をスペーサー内に浮遊させた際, どの程度粒子が沈着するかについては詳細な検討がなされていない。本実験では, ネブライザーをスペーサーに接続し, エアロゾル粒子がスペーサー内側壁へどの程度沈着するか, また沈着量に影響を与える因子にはどのようなものがあるかについて検討した。超音波ネブライザーとジェットネブライザーを比較するとジェット式ネブライザーの方が沈着率が少なかった。またエアロゾルの発生時間が長くなるにつれ沈着率が増加した。換気シュミレーションを加えた実験では, 換気量が大きくなるにつれ沈着率が減少した。さらにグリセリンの添加は沈着率を減少させた。

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