2000 年 43 巻 4 号 p. 346-349
ブタクサ抗原誘発好酸球増多モデルを用いて, 乳酸球菌Enterococcus faecalis FK-23株を酵素および加熱処理した標品 (LFK) の好酸球集積に対する影響を加熱処理のみの標品 (FK-23) と比較検討した。LFKまたはFK-23を60mg/匹連日経口投与したBALB/c系雌マウスに, ブタクサ抗原を3週間にわたり5回の追加免疫した後, ブタクサ抗原を腹腔注射した。腹腔内注射24時間目の腹腔浸出細胞の総白血球数および好酸球数を調べた。その結果, 総白血球数では, LFKまたはFK-23を投与した群は, 生理食塩水のみを投与した対照群と比較して明らかな差は認められなかった。0方, 好酸球数では, LFKを投与した群は1.61×105cells/mlで, 対照群の2.57×105cells/mlと比較して有意に低値を示した。さらにLFKを4, 25および60mg/匹連日投与したところ, 総白血球数には明らかな差は認められなかったが, 好酸球数はLFKの投与量依存的に減少することが確認された。