耳鼻咽喉科展望
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新規超音波ネブライザーにおけるステロイド懸濁液の噴霧および薬剤安定性
吉山 友二原 愛菅家 甫子朝井 慶
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2000 年 43 巻 Supplement1 号 p. 26-29

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抄録

今回, 諸外国で既に開発, 使用されているネブライザー用ステロイド懸濁液を試験薬剤として用い, 新規超音波式ネブライザーでの懸濁液噴霧の可否及び安定性を検討した。
新規超音波ネブライザーNE-U14 (オムロン) を用い, パルミコート (R) (一般名 : ブデソナイド, アストラ) を実験に供した。試験薬液を薬液槽に入れ, 噴霧後に外観変化, pH, 臭気および含量を測定した。
各試験薬剤の超音波ネブライザー噴霧後のpH, 外観および臭気ともに変化はみられなかった。試験薬剤は, 噴霧前薬物量の約70%が噴霧され, フィルター, 薬液槽及び振動子部に残存する30%を加えた薬剤合計が噴霧前の含量と同等であった。
新規超音波ネブライザーによりステロイド懸濁液の噴霧が可能になるとともに, 薬剤の安定性も保持し得ることが明らかとなり, 小児や高齢者を含む多くの患者に適正ネブライザー療法を遂行できることを強調したい。

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