耳鼻咽喉科展望
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木村病の1例
その治療経験と考察
谷光 徳晃久行 敦士永澤 昌
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2002 年 45 巻 5 号 p. 373-380

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抄録

軟部好酸球肉芽腫症, いわゆる木村病は, 全身の軟部組織, 特に顔面部に無痛性腫瘤を形成し, 末梢血好酸球及び, IgEの増加をみる原因不明の比較的稀な疾患である。今回我々は, この木村病の1例を経験したので, その診断, 治療について若干の文献的考察を加えて報告する。
症例は52歳男性で, 主訴は約10年前からの右頬部, オトガイ下部の腫脹であった。緩慢な臨床経過, 末梢血好酸球及び血中IgEの著明上昇などの検査所見から木村病と診断し, ステロイドの内服及び手術を行った。本疾患はその存在を念頭におけば, 上記のような特徴的な臨床所見より診断は可能であると思われた。治療は最初にステロイド内服投与を行い, 腫瘤を退縮させた後, 抗アレルギー剤または, 非ステロイド性消炎鎮痛剤による維持療法を行う方法が第一選択であるが, 効果, その後の経過により, 手術, 放射線などの他の治療を適宜組み合わせていく必要があると思われた。

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