2002 年 45 巻 6 号 p. 517-526
2000年以来3年連続スギ花粉の大量飛散年であった2002年の東京において, 多施設共同でスギ花粉症に対するラマトロバンによる初期治療効果を初期治療群と飛散後治療群とに群別し比較検討した。その結果, くしゃみ発作, 鼻漏, 鼻閉, 日常生活の支障度, 三主徴, Symptom Medication Score はいずれもスギ花粉飛散ピ-ク時以降, 初期治療群が飛散後治療群より有意にスコアを抑制した。特に初期治療群の鼻閉スコアは, ピ-ク時でも軽症レベルであった。また, 副作用も何ら認められなかったことから, ラマトロバンはスギ花粉症の初期治療に有用な薬剤であることが示唆された。