症例は, 92歳の女性で, 視力障害と差明を主訴として来院し, 髄膜腫の再発と診断された貴重な1例を経験した。画像診断にて前頭蓋底の骨欠損を伴い, 鼻副鼻腔内に広汎に進展した巨大腫瘍を認め, 病理学的組織検査と減量手術を目的に, 局所麻酔下で鼻内内視鏡手術を行った。その後, 病理組織所見から腫瘍は髄膜腫であると判明した。嗅神経由来の髄膜腫手術の既往歴があることから, この前頭蓋底部髄膜腫が再発し, 前頭蓋底骨の破壊とともに鼻副鼻腔内に進展し, 視神経管を介して視神経を圧迫するに至り, 視力障害を来したと考察した。