耳鼻咽喉科展望
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Cascade Impactor法によるメプチン吸入液ユニットの粒子径評価
吉山 友二橋倉 利佳菅家 甫子朝井 慶
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2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 17-21

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抄録

メプチン吸入液ユニット (塩酸プロカテロール) は, 1回使いきりを可能としたネブライザー専用薬剤として有用視されている。今回, メプチン吸入液ユニットについて, ネブライザーにより噴霧されたエアロゾルが至適粒子径を持ち治療の標的部位に到達しているかをCascade Impactor法により検証した。メプチン吸入液ユニットはメッシュ式超音波ネブライザーNE-U22による噴霧に対して安定で, 薬剤は治療の標的部位である細気管支に到達されるため, 治療上有効な薬剤であることが示唆された。また, メッシュ式超音波ネブライザーNE-U22ではメプチン吸入液ユニットを原液で噴霧することができることから, 吸入時間の短縮および発作症状の速やかな改善が期待でき, 患者のQOLの向上に大きく貢献し得ると考えられる。総じて, 簡便性および誤飲の危険性を回避し得るメプチン吸入液ユニットによるネブライザー療法は大変有用で, 利便性が向上した新型ネブライザーの登場と相俟って, 多くの患者に福音をもたらすことを強調したい。

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