2007 年 50 巻 4 号 p. 222-229
耳鼻咽喉科領域での結核感染は, 結核性頸部リンパ節炎が最も多く, 咽頭結核, 喉頭結核例も散見され, 決して稀な感染症ではない。しかし確定診断に難渋し, 症状が悪化することも少なくない。
今回我々は結核性頸部リンパ節炎の3例を経験した。症例は54歳女性, 60歳女性, 44歳女性であった。3例すべてでツベルクリン反応が強陽性となったことと, 2例は自潰した排膿液からの培養検査から結核菌が検出され, 2例は病理組織学的検査より結核性頸部リンパ節炎と確定診断に至った。外科的に感染巣の切除と抗結核薬による治療で軽快した。