2024 年 59 巻 1 号 p. 54-58
【目的】
本研究は、当院における産後ケアを利用する対象者を初産婦・経産婦別、利用日数別、利用時期別に利用したいニーズの違いを調査し、今後のケアの課題を明らかにした。
【方法】
2023年1月~8月の期間に産後ケアを利用した対象者224名のうち有効回答192名の記録から本研究に必要な結果を抽出し、ニーズ特性を分析実施した。
【結果】
利用日数別では、宿泊型利用者は、デイケア利用者と比較して、「お母さんの心身の休養」「授乳手技」「沐浴方法の指導」「赤ちゃんのスキンケア」「赤ちゃんの発育」についてのニーズが有意に高かった。利用時期別では、産後1ヶ月未満の利用者は、産後1か月以降の利用者と比較して、「授乳手技」「沐浴方法の指導」「赤ちゃんのスキンケア」についてのニーズが有意に高かった。
【考察】
初産婦・経産婦に関わらず、個別のニーズや不安に対する効果的なケアが必要である。宿泊型及び産後1カ月未満の利用者は、基本的な育児技術に不安を抱えながら退院している事から、産後ケア利用中のケアを見直す必要性がある。