2013 年 23 巻 1 号 p. 19-24
済生会宇都宮病院では、真珠腫診療でBert De Foerらの提唱しているnon echo planar拡散強調MR(non EP DW)を実施している。この撮像方法では、典型的な真珠腫は脳実質と比較して著明な高信号病変として描出されるのが特徴である。2011年1月から10月まで、中耳疾患患者63例に対しnon EP DWを実施、うち29例30耳を手術などで診断の確認を実施した。Non EP DW陽性であったものは21耳、全例が真珠腫であった。検出しえた最小のサイズは3mmであった。陰性であったのは9耳、真珠腫1耳・コレステリン結晶1耳・グロムス腫瘍1耳・慢性中耳炎1耳・外耳道皮膚骨化1耳・滲出性中耳炎3耳・再発のなかった真珠腫術後耳1耳であった。浅在化鼓膜裏面の真珠腫診断やcanal wall up術後の再発診断に、non EP DWが特に有用であった。