Otology Japan
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シンポジウム 1
耳管疾患への内視鏡の応用
大島 猛史
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2013 年 23 巻 5 号 p. 885-888

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抄録

耳管は中耳疾患の病態生理に重要性であるにもかかわらず内視鏡による直接的アプローチがあまりなされてこなかった。当科では耳管開放症を中心とした耳管診療を行っているが、近年使われるようになった唾液腺管内視鏡を耳管疾患の診療に用いてみた。この内視鏡は極細径で、耳管鼓室口は外耳道壁に接触することなく前上象現の鼓膜切開口から容易に観察することができた。当科で行っている耳管ピン挿入術では挿入困難例やピンのサイズ不適合があり、内視鏡の使用はこれら問題の解決に役立つと考えられた。ただ、耳管ピンを挿入、留置する操作自体は顕微鏡の使用に優位性があり、現在のところ、その使用は主に観察目的に限られている。しかし、内視鏡は耳管疾患の診断、治療にブレークスルーをもたらす可能性を秘めている。

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© 2013 日本耳科学会
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