Otology Japan
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原著論文
耳小骨奇形 Malleus Bar 3耳の検討
山本 沙織奥野 妙子藤田 岳畑 裕子一瀬 和美堤内 亮博
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2014 年 24 巻 5 号 p. 735-741

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抄録

Malleus barとは骨性鼓膜輪とツチ骨とを連結する骨梁であり、ツチ骨固着の一種ではあるが、現在広く用いられている舩坂の分類には含まれない比較的稀な耳小骨奇形である。当院では1995年から2012年までの18年間における耳小骨奇形27耳中、3耳のmalleus bar症例を経験した。
症例1は術中にキヌタ骨・アブミ骨の癒合とmalleus barが判明し、レーザーにてbarを離解させた。症例2は術前CTにて鼓膜輪と耳小骨の癒合を確認した。耳内法にてツチ骨・キヌタ骨の癒合とmalleus barを確認し、bar削除のみ行った。症例3はmalleus bar単独の耳小骨奇形であった。全3耳が一側性で、患側の耳介低形成と外耳道狭窄を伴っており、顔面神経の走行異常はなかった。耳小骨への操作はMalleus barの切断のみであり、術後聴力成績は3耳すべてが成功と判定された。

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© 2014 日本耳科学会
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