Otology Japan
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原著論文
鼓室形成術III型、IV型の聴力成績
-新潟大学の30年間の推移-
大島 伸介山本 裕森田 由香高橋 邦行高橋 姿
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2014 年 24 巻 5 号 p. 748-754

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抄録

鼓室形成術III型もしくはIV型を施行し、術後6か月以上経過してから聴力評価が可能であった122名126耳を対象とし、術後聴力成績を検討した。また、過去の当科からの報告と比較検討し、30年間の推移を考案した。最近4年間のIII型、IV型の全体の聴力成績は成功率71.4%、III型75.9%、IV型62.8%であった。再建形式別ではIIIiが最も良好で、次いでIViであった。IVcがIIIi、III型全体のそれぞれに比し、有意に低かった。気骨導差15dB以内の基準では、IIIiがIIIcに比し有意に好成績を示した。中耳真珠腫の成功率は有意に向上した。IIIi、IViの採用率は増加し、i型採用率の増加が全体の成績改善に大きく貢献した。更なる成績向上のために、i型が困難な症例に対するc型の再建法、特にIVc型の再建法の改良が重要と思われた。

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© 2014 日本耳科学会
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