2014 年 24 巻 5 号 p. 835-841
耳管機能の評価には耳管機能検査装置を用いた耳管機能検査がとても有用で、外来でも使いやすいコンパクトな装置が市販されており保険適応にもなっている。しかし、未だ全国の耳鼻科医に十分に普及しているとはいえない。耳科手術の術前検査としても、耳管機能検査は他の術前検査 (純音聴力検査、ティンパノグラム、味覚検査など) と比較すると、大学病院でさえ十分浸透しているわけではない。現在、日本耳科学会耳管委員会にて耳管機能検査マニュアルや耳管診療ガイドラインの作成を進めているところであるが、耳管機能検査の基準値も確定されてはいない現状がある。
今回は、当科にて行っている耳管機能検査の実際について紹介させていただき、耳管機能検査の普及に少しでも貢献できることを期待する。