2016 年 26 巻 1 号 p. 20-24
良性発作性頭位めまい症は予後良好な疾患ではあるが、ときに誘発性のめまいが遷延し、日常生活に多大なる支障を来たすことがある。外科的な治療法としては、後半規管膨大部神経切断術と半規管遮断術がある。半規管遮断術は手術安全性が高く、手術応用性も広いので、 現在ではほとんどの施設では本術式が採用されている。最近のトピックスでは、半規管遮断術直後に純音聴力検査で低周波数領域の気骨導差が見られる。これは第三の内耳窓効果によると考えられ、術後経過観察の中で、遮断部位の安定とともに気骨導差も消失していく。