Otology Japan
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臨床セミナー4
人工聴覚器の現状と将来─人工中耳の現状と将来
岩崎 聡
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2016 年 26 巻 2 号 p. 99-104

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抄録

人工中耳と骨導インプラントは伝音・混合性難聴に対する人工聴覚器として発展した。Vibrant Soundbridge(VSB)は人工中耳の中で代表的なもので、感音難聴の適応として開発された。その後振動子であるFMTを正円窓に設置することで直接蝸牛に振動エネルギーを伝える方法で、適応を伝音・混合性難聴へと拡大した。2014年、本邦において伝音・混合性難聴に対して正円窓アプローチによる臨床治験を終了した。骨導インプラントは振動エネルギーを側頭骨を介して直接内耳へ伝える機器である。Bahaは半埋め込みタイプのもので、2006年から2009年に掛けて9施設による臨床治験を実施し、2013年に保険収載されている。人工中耳と様々な骨導インプラントが今後進化し、広く使用されてくることが期待される。

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© 2016 日本耳科学会
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