Otology Japan
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ミニシンポジウム
高齢者に対する鼓室形成術と周術期管理について
新鍋 晶浩
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2016 年 26 巻 3 号 p. 161-168

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抄録

高齢者に対して鼓室形成術をおこなう機会は増加している。高齢者の慢性中耳炎症例の特徴として、活動性の炎症を抱えていること、真菌の割合が多いという特徴がみられた。また真珠腫症例では内耳瘻孔や高度感音難聴を伴う重症例が多く、型別にみると二次性真珠腫が最多であった。耳漏、難聴、めまいといったQOLに影響を及ぼす症状が耳科手術により改善し、高齢者が社会で活躍できるようになることが治療の大きな目標である。手術をより安全で効果的におこなうためには、適切な術式は何か、術前に他科へ相談すべきかどうか、抗血栓薬内服はどうするべきか、など個々の症例毎によく検討しなければならない。

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© 2016 日本耳科学会
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