2016 年 26 巻 3 号 p. 173-178
当科では人工内耳手術を開始してから28年間に32耳の再手術を経験した。その原因としては電極故障が9耳で最多であった。再手術の方法としては、同側入れ替え術が16耳で最多であった。入れ替え手術の際は、ほぼ全例で旧電極と同じタイプの電極を使用して行われた。近年、電極の選択範囲が広がり、電極アレイは、より細くて短い電極の選択も可能になり、インプラントは、より薄くて安定性が良いインプラントを選択することも可能になった。近年、我々が再手術につながる合併症を予防するために行っている皮膚切開のデザイン、インプラントの固定、電極リード固定、外耳道の補強・再建について提示する。