Otology Japan
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テーマセッション2
好酸球性中耳炎の診断と治療
松原 篤
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2017 年 27 巻 3 号 p. 199-203

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抄録

好酸球性中耳炎は、好酸球浸潤が著明な中耳貯留液(好酸球性ムチン)を特徴とし、適切な治療が行わなければ難聴が進行する難治性の中耳炎として知られている。その診断基準は、2011年に以下のように提唱された。すなわち大項目を好酸球優位な中耳貯留液が存在する滲出性中耳炎または慢性中耳炎、としその他に4つの小項目として、1)ニカワ状の中耳貯留液、2)中耳炎に対する従来の治療に抵抗性、3)気管支喘息の合併、4)鼻茸の合併、のうち二項目以上を満たすものである。

好酸球性中耳炎の治療としては、好酸球性ムチンを除去した後の局所ステロイド投与が有効である。また、長期管理薬として抗ロイコトリエン薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、第二世代抗ヒスタミン薬などを組み合せた治療も行われる。また、合併する気管支喘息の良好なコントロールも重要である。

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