Otology Japan
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テーマセッション10
突発性難聴の診断と治療の新展開
中川 隆之
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2017 年 27 巻 3 号 p. 210-216

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抄録

近年、内耳保護、再生に関連する基礎的研究の進捗に伴い、感音難聴に対する創薬研究が注目されている。感音難聴は、頻度の高い身体障害として知られているが、感音難聴に対し、米国食品医薬品局が認める薬物は存在しない。突発性難聴は、感音難聴の中では頻度の低いものであるが、診断、治療に関する臨床研究の蓄積があり、新規治療薬の対象疾患としての条件は比較的整っている。本総説では、感音難聴治療開発の現況、インスリン様細胞増殖因子1局所投与による突発性難聴治療に関わる基礎的研究、臨床研究の概要について述べ、薬事承認に向けた今後の展開について展望する。

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© 2017 日本耳科学会
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