Otology Japan
Online ISSN : 1884-1457
Print ISSN : 0917-2025
ISSN-L : 0917-2025
原著論文
分子量の異なる酸の内耳に及ぼす影響
山野 貴史樋口 仁美坂田 俊文中川 尚志森園 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 27 巻 5 号 p. 677-679

詳細
抄録

我々は、以前より酸の内耳に及ぼす影響を、酢酸を用いて曝露時間やpH、浸透圧を変化させることで検討してきた。今回は、pHを4、浸透圧を300±20mOsmに統一した3種類の酸(ギ酸:分子量46、酢酸:分子量60、プロピオン酸:分子量74)を中耳腔内に投与し、分子量の違いが内耳に及ぼす影響について、蝸牛複合電位(compound action potential:CAP)を測定して検討した。3剤ともに30分後ではCAPの閾値上昇はなかったが、24時間後で閾値上昇を認めた。中耳腔内に投与された酸は、その分子量が異なっても同様に内耳毒性を有する可能性があると示唆された。

著者関連情報
© 2017 日本耳科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top