Otology Japan
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原著論文
経鼓膜的鼓室内注入療法に関するアンケート集計結果報告
岡田 昌浩羽藤 直人吉田 尚弘大島 猛史小島 博己
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2020 年 30 巻 2 号 p. 91-96

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抄録

経鼓膜的鼓室内注入療法は,突発性難聴などの内耳疾患を対象とした治療法として広く認知されているが,国内では保険適用外のため,あまり普及していないとされている.そこで,実態調査のため,日本耳科学会代議員84名を対象にアンケート調査を行った.84名中,76名(90.5%)から回答を得た.突発性難聴に対し,ステロイド鼓室内注入療法(以下,ITSと略)を行ったことがあると回答したのは53名(69.7%)であった.53名中,ITSを積極的にすすめているは19名(35.8%)にとどまった.ITSを特定臨床研究や院内の倫理審査承認を得て行っていると回答したのは10名(18.9%)のみであった.ITSが保険収載されれば積極的に行うと,58名(76.3%)が回答した.ITSは本邦の診療の手引きでグレードBまたはC1に位置する治療法である.今後,保険収載による本治療法の普及が望まれる.

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© 2020 日本耳科学会
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