Otology Japan
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トランスレーショナル委員会企画
IGF1局所投与による感音難聴治療開発の経緯と障壁
(テーマ:IGF1を用いた突発性難聴の治療)
中川 隆之
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2021 年 31 巻 4 号 p. 397-401

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抄録

インスリン様細胞増殖因子1(IGF1)は,広く生体の成長に関与するホルモンであり,同時に生体局所でオートクラインあるいはパラクラインで働く細胞増殖因子として知られ,内耳の発生,生後の発達,維持に欠かせない液性因子である.われわれは,IGF1局所投与による急性感音難聴治療に関する基礎的研究開発から臨床応用を目指した橋渡し研究を実施した.本プロジェクトでは,早期から臨床応用を意図した研究開発を行ってきたが,医師主導治験実施には想定とは異なるいくつもの関門が存在した.現状から振り返り,基礎的研究開発の段階から想定しておくべき事柄について整理し,理想的な進捗方法について考察する.

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