応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
解説
平たん構造からの飛躍:Fin型チャネルFET構造の必然性
久本 大
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2003 年 72 巻 9 号 p. 1136-1142

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抄録

プレーナ技術によるシリコンの微細加工に支えられてきたCMOSデバイスの高性能化は,数々の物理限界要因を迎えるようになってきた.こうした状況にあって,最近,MOSFETのチャネルにフィン(Fin)型構造を用いたFinFETが注目されてきている.これは,チャネルに立体構造を用いることで,チャネルの制御性を高め,また,大きな電流駆動力が得られるためである.このフィン型チャネル構造は,現在のLSIで用いられているプレーナ技術により形成できるため,今後のCMOS性能向上を図るうえで,重要な素子となることが考えられる.ここでは,デバイス構造や特性について,この構造が選択されてきた背景とともに紹介する.

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© 2003 公益社団法人応用物理学会
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