2004 年 73 巻 12 号 p. 1558-1563
フラストレーションをもつソフトマテリアルは,独特の構造様式をもつ点において興味深いが,その構造は微妙なバランスで成り立っていることが多く,安定性の面で実用材料への応用は困難視されていた.筆者らは,三次元らせんナノ周期構造を有するブルー相液晶のフラストレーションを解消し,温度変化や電場印加などによってバランスを崩すことなく安定にブルー相の特異な構造を保持させることに成功した.ここでは特に,ブルー相の電気光学材料としての大きなポテンシャルを紹介したい.