2011 年 80 巻 11 号 p. 987-990
高純度(〜100%)同位体 30Siを天然Si(30Siの存在割合3.1%)基板上にエピタキシャル成長させたヘテロ構造を作製し,その濃度差を利用し,30Siを2次イオン質量分析装置によりモニタして,シリコン自己拡散を調べた.867〜1300°Cにおけるシリコン自己拡散係数を決定し,また自己拡散において空孔機構とinterstitialcy機構の両方が関与することを示し,その割合を決定した.さらに高純度30Si超格子構造を作製し,酸化性雰囲気中での熱処理を行い,30Siの広がり分布を評価して,格子間シリコン原子の拡散係数と熱平衡濃度を直接的に決定した.