2011 年 80 巻 12 号 p. 1085-1088
クラウド・コンピューティングやリッチコンテンツの普及に伴い,データセンタなどで処理・伝送される情報量は今後も飛躍的に増大すると予測されるが,地球温暖化や原発事故に伴う電力不足などの課題により,情報量の増大に比例した消費電力の増大は許されない状況にある.本稿では,シリコンフォトニクスの特徴,応用の現状,将来展望などについて述べる.シリコンフォトニクスを用いた光インタコネクトは,その低コスト,小型・高密度集積,低消費電力,高速・広帯域,長距離伝送などの優位性により,情報爆発による帯域幅ボトルネックの解消と,持続可能社会に向けた情報機器の省エネ化という二つの課題を同時に解決する技術であると確信している.