2013 年 82 巻 7 号 p. 583-587
JOGMECは,金属資源探査において使用頻度の多い電磁探査の探査深度を向上させるために,高温SQUIDを用いた電磁探査装置(SQUITEM)の3号機を完成させた.高温SQUIDを電磁探査装置の磁気センサとして採用した理由は,ノイズレベルが他の磁気センサに比べて極めて小さく,周波数帯域が十分に広いためである.オーストラリアでの亜鉛探査では,SQUITEM1号機を用いた結果,誘導コイルによる従来装置では捕捉できなかった深部の低比抵抗を明瞭に捉えることができた.また,オーストラリアの銅賦存(ふぞん)地区での3号機のフィールドテストでは,2号機よりもさらに深部まで測定できることを確認した.