2020 年 89 巻 9 号 p. 498-508
表面活性化による常温接合の現状と接合メカニズムを概説する.イオン衝撃による標準表面活性化接合が金属やシリコン(Si)の常温接合に有効なのに対し,ナノ密着層を導入した拡張表面活性化接合によって,ガラスや化合物半導体,高分子フィルムなどの常温接合も可能となる.また大気圧・雰囲気中での表面活性化接合(SAB)が検討されている.最近の事例として,最高の接合界面熱伝導率を実現したGaNとダイヤモンドとの常温接合を示した.さらに本手法の将来への展望として,極低温接合を提案した.