応用物理
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最近の展望
グラフェンFETバイオセンサによるウイルスの高感度検出
松本 和彦
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2021 年 90 巻 7 号 p. 409-413

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抄録

グラフェンFETの高感度特性を活用して,極めて高い致死率を有する鳥インフルエンザウイルスの人への感染性を検出する手法を,「実際の感染機序」に基づいて開発した.これにより,従来1週間以上のウイルス培養期間を要したクロマトグラフィ法に比して,数十分でかつ,2〜3桁高感度に検出できた.グラフェンFET表面にヒト型糖鎖を修飾し,ヒト感染性のある鳥インフルエンザウイルスの結合による電気特性の変化から,ヒト感染性のない鳥インフルエンザウイルスとの識別が短時間で簡便に可能となった.また鳥インフルエンザウイルスの亜型診断のために,集積化グラフェンFETアレイ上へのさまざまな抗体の分割修飾技術の開発にも成功し,多項目診断への道筋をつけた.最後に新型コロナウイルスの予備的な光学的検出にも成功した.

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© 2021 公益社団法人応用物理学会
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