2022 年 91 巻 11 号 p. 659-667
レーザー加工は,高速かつ非接触の加工方法として幅広く製造現場に適用されている.レーザーのビームモードはシングルモードとマルチモードに分けられる.シングルモードは,集光性が良く微細加工などに適しているものの,高出力化が難しく発振器のコストが高いことから,これまで加工分野ではあまり普及してこなかった.マルチモードはシングルモードより集光性は劣るものの大出力化が可能であり,レーザー加工に広く適用されている.近年低コストの高出力シングルモードレーザーが市場投入されてきており,加工分野への適用も進められている.本稿では,レーザー加工に適用されるレーザー発振器,レーザー加工技術の開発の経緯,特徴について,事例を交えて解説する.