応用物理
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材料の反射並に透過光の擴散性
渡邊 要
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1935 年 4 巻 11 号 p. 449-452

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抄録

反射並に透過光線の擴散性は例へば3個の凸レンズと光電管を適當に装置して檢べる事が出來るが,特殊の目的には又別の測定方法を用ひなければならぬ.茲に記す方法は次の如くにして測定したものである.
光源:電壓105Vの一定光度を有する20W又は40Wの艶消電球を直径7.5cm, 深さ17.5cmの圓筒内に取付け,との光線の入射角を自由に變へられる装置とする.光源は李行光線ではない.
入射角:電球を覆うだ圓筒軸の入射角(以後これを單に入射角と稱す)は0°,30°, 60°の3種とする.
測定器械並に測定角度:マクベス照度計を用ひて,試料面の法線に封して10°おきに比較輝度を測定し,特に必要ある場合には5°おきに就いても測定する.
試料の大さ:直径約12cmの圓板.
入射光と測定面との關係:下記の二平面内に就き測定する.
(i) 入射光と試料の面に立てた法線とを含む平面.
(ii) 上記の平面に垂直で且その法線を含む平面.
即ち第1圖の如く,試料は常に受照面たるYZ平面に固定さし,第1表の如き四種の場合に就いて測定した事になる.
其他:光源(圓筒の先端)と試料との距離は1.15m, 試料と照度計の先端との距離は1mとし,之等の距離は常に一定に保つた.又試料面以外に:著しく當る“はぐれた光”を防ぐために周壁が黒色の暗室内で測定した.
以上の様な方法で測定したのであるが,測定には或る任意に定められた輝度を單位としたから,その結果は或る材料の輝度と他の材料の輝度との大小の割合を測つた事になる.これを比較輝度と呼ぶ事にする.更にこれを光度の割合に換算したものを比較光度と呼ぶことにする.

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© 社団法人 応用物理学会
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