ジョセフソン素子は,従来の半導体素子とは全く異なる原理で動作するユニークな電子素子としてその利用が注目されている.特に,高速性,低消費電力性に着目したコンピューター素子への応用は,シリコン素子をべースとした現在のコンピューターの性能を大幅に向上させることが期待され,精力的な研究が行なわれている.一方,ジョセフソン素子は未踏的要素が多い技術であることも事実であり,技術開発の進展に伴い,解決しなければならない多くの技術課題も認識されるようになった.本解説は,このようなジョセフソン・デジタル素子技術の現状を概観し,その将来課題について述べる.