1985 年 54 巻 10 号 p. 1004-1018
波動を利用した映像系は,一般に波動と媒質の各種のかかわりあいの大きさを像として得ているが,従来の映像法は基本的にはすべて,波動の振幅は無限小という仮定のもとでのものであった.実際の波動は有限の振幅を持ち,媒質の性質や形状に変動を与え,この媒質の特牲の変化が逆に波動に影響を与えるという複雑なかかわりあいを持つことになる.波動の中で超音波は特に顕著なもののーつである.本報告では,その大きさを示す超音波非線形パラメータの意味づけ,映像原理と各種の応用について展望する.