結晶中の不純物や結晶欠陥によってできる電子捕獲(トラップ)準位の研究が盛んである.その剤窯方法を見ると,半導体材料に対しては,接合容量の温度変化などを利用した電気的な測定法 (DLTSなど)が近年開発され,研究だけでなく材料評価にも不可欠な芋段となりつつある.しかし,電極や接合をつくることのできない,したがって電気的測定のできない絶縁物や粉末状の試料に対もては,グロー (glow) 法と呼ばれる古くからの方法が,現在でもほとんど唯一のトラップ準位測定法である.
本稿は,蛍光減衰特性の温度変化を利用した新しい剤定法 (Transient Thermoluminescence) が,グロー法と比べて同等の視認性と簡便性をもちながら,再現性や定量性などにおいて有利な方法であることをいくつかの例によって示す.