SiO2/Si界面は,現在知られている界面の中でも,最も構造欠陥の少ないものの一つであろう.しかし,現在の技術をもってしても,なお構造欠陥を全く含まない界面を設計し実現することはできない.また,酸化プロセスの改良により,近い将来どの程度の界面が実現されるのかを予測することもできない.いま一つの問題は,デバイスの微細化が進み,用いる酸化膜厚が10nm以下となるに及んで,界面構造が酸化膜質に及ぼす影響を明らかにする必要がでてきたことである.本稿では,薄いシリコン酸化膜およびその界面の構造についての理解の現状について述べる.