1987 年 56 巻 9 号 p. 1173-1177
ジョセフソン接合は,超伝導体間における,電子のトンネリング現象を利用する素子であり,超高速スイッチング特牲などの多くの優れた特性を有している.しかし,極低温に冷却して,動作しなければならないということが,応用上の負担である.この負担を軽減するために,高い超伝導臨界温度 (Tc=15~16K) をもつNbN薄膜を電極とするジョセ7ソン接合作製技術の研究を行ない,熱力学的にきわめて安定な酸化物であるMgOをトンネル障壁の材料として用いることによって, 15Kに達する動作温度が得られることを見いだした.