1988 年 57 巻 1 号 p. 104-107
GaAs中の禁制帯中央にある深いドナーEL2を,接合容量法で測定ずる際,ショットキー接合の逆方向特性が悪いと,測定結果から得られるトラップパラメーターが真の値と異なる.この場含は,ショットキー接合の性質を考慮した補正が必要である.この点をめぐって,八幡・大串と奥村・長谷川との間に論争が続いていた.この小文は,論点を整理し,論争のアナトミーを行った.接合容量法の結果の解析には,奥村・長谷川の指摘を採り入れる必要があることは明らかである.その補正を行ったうえで,八幡・大串の仮説を議論し直すことの必要性を述べた.