応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
単原子層と電子放出材料
山本 恵彦
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1988 年 57 巻 11 号 p. 1734-1741

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抄録

電子放出材料と単原子層との開係には,きわめて深いものがある.それは,電子放出特性が,材料最表面の特性に支配されるからである.熱電子放出材料の一種である含漫型カソードでは,まさに単原子層制御技術がカソードの良否を決定している.一方,電界放出材料では,単原子層は放出電流変動(プリッカー雑音)の原因になる.このため,単原子層の吸着を避ける方法や,材料探索に関する研究が行われている.また逆に,単原子層を積極的に利用する拡散補給型カソードも登場している.近年の単原子層評価技術には目を見張るばかりの進歩があり,従来経験的に行われていた電子放出材料研究にも新しい展開が期待される.

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© 社団法人 応用物理学会
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