相対論的高速電子による,レーザー光子の逆コンプトン散乱を利用した,偏光単色γ線生成の可能性が指摘されて以来,この方法は,有力な単色γ線の発生方法として注目され,実験的研究が進められてきたが,最近の大出力レーザー技術の進展と,大電流・長寿命電子蓄積リングの普及により,実用化計画が進められるようになった,大型リングでの逆コンプトン散乱単色γ生成の最近の計画では,標識光子法を併用し,エネルギー分解能,測定効率の向上を図っている.小型電子蓄積リングでは,数百keV~20MeVのエネルギー可変γ線源として,放射性同位元素に代わる利用も行われようとしている.ここでは,蓄積リングに貯蔵された電子ビ-ムによる,レーザーの逆コンプトン散乱γ線の発生の概要について述べる.