ディープサブミクロン時代のULSIの基本構造として,薄膜SOI MOSトランジスタが注目されている.これは
, Si層の厚さを100nm程度まで薄くし,チャネル領域が完全に空乏化するような条件では,短チャネル効果が抑制され,また電流駆動力が向上するなど,従来の基板SiのMOSトランジスタに比べて優れた性能を得られる可能性が出てきたことによるものである,この報告では,薄膜SOI構造の形成法,電気特性に現れる特徴,およびデバイス特性などの最近の研究状況と展望をまとめ,さらに,問題点とその対応について述べた.