応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
Bi系高温超伝導材料の発見
前田 弘
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 58 巻 4 号 p. 524-530

詳細
抄録

1987年クリスマスイブに,新しいBi-Sr-Ca-Cu-O系高温超伝導体がこの世に現れた.この物質は,超伝導遷移温度, Tcが初めて100Kの大台を超えたため,応用的観点から多くの注目を集めた.と同時に,超伝導を支配するCu-O面を積み重ね,その枚数を増やすことによって処を上昇させることが可能となる,という高温超伝導発現機構に関する理論的展開にも新しい知見を与えたといえよう.さらにこの発見は,当時漂いかけていた「Y-Ba-Cu-O系以上の高温超伝導体はもうないのではないか」という暗雲を払いのけるとともに,「まだまだ高温超伝導体はあるよ」という希望と勇気を多くの人に与えたように思われる.本稿では,この発見に至った経緯とそれに関連して研究に対する考え方,取り組み方について私見を述べる.

著者関連情報
© 社団法人 応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top