企業における研究では,基礎研究といえども,会社の長期ビジョンに沿った探索的研究や先行的な基盤技術蓄積型研究であるべきと思っている.その意味で新知識の発見を目的とする大学における基礎研究とは異なっている.しかしながら,科学技術の発展スピードは早く,基礎→応用→開発と,ゆっくりとシリーズに進むのではなく,当該分野において,あるいは異分野と合流しながら,基礎・応用・開発が相互に影響し合いながら同時的に進行する時代に私達は生きている.したがって,応用研究や開発研究にあっても,基礎研究の発展は無視することができないし,日常の研究開発活動においても基礎的研究分野に深化した基盤技術を磨く必要がある.