1990 年 59 巻 12 号 p. 1618-1628
大面積電子デバイス材料として, Si薄膜作製技術の研究動向を概観する.アモルファス相のSi網目構造形成プロセスに関する,最近の研究成果を整理し,その構造制御の化学反応過程について,これまでに集積された知識を紹介する.そして,原子状水素を用いる「化学アニーリング」が,アモルファスSi網目構造の緻密化に有効であることを述べる.また,堆積表面近傍の化学反応制御によるμc-Si, Poly-Si, そしてエピタキシャル成長プロセスについて,その概要を解説し,低温基板上におけるSi網目構造形成に関する化学反応とその制御の可能性について述べた.