応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
カルコパイライト型結晶の光学異方性と非線形光学
堀中 博道山本 信行
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 60 巻 2 号 p. 112-119

詳細
抄録

力ルコパイライト構造の三元化合物半導体は,複屈折を示し,さらに,大きな非線形光学係数をもつ.バンドギヤツプが広く,かつ,格子ひずみが大きい化合物は,特定の波長で屈折率が縮退する特殊な光学的性質を示し,光学フィルターに応用されている.複屈折の大きい数種類の化合物は位相整合条件を満たすために,赤外非線形光学材料として用いられ,第2高調波発生,光周波数混合などの実験が行われている.最近,熱処理によってAgGaS2およびAgGaSe2結晶の透過特性が改善され,両結晶においてパラメトリック発振が可能になった.励起光としてNd: YAGレーザー (1.06 μm) を用いることで1~10 μmの波長域において波長可変のコヒーレント光源が実現されている.

著者関連情報
© 社団法人 応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top