モントリオール議定書の締結によって特定フロン類の放出が制限され,成層圏におけるオゾン減少に歯止めがかかった.一方,最近,フロン類の除去やオゾン供給を積極的に行い,成層圏のオゾンをより早く回復させる目的で,いくつかの提案が内外で行われている.電磁波によるフロン類の除去とオゾン供給,航空機による補給,バルーンにオゾン発生器を積み太陽電池で動作ざせる方法,レーザーによるオゾン生成などである.これらを紹介し,必要なエネルギーの面から検討を加える.全地球的な規模には難しいが,必要な限られた領域を対象とすれば不可能ではなかろう.