1992 年 61 巻 3 号 p. 266-269
電気化学的エレクトロクロミズム(EO)の応用は,従来の表示素子から調光ガラスなど,新しい分野に発展しつつあり,大面積のEO膜を生産性よく形成する方法が課題になっている.筆者らは,過酸化ポリタングステン酸を利用することにより,蒸着酸化タングステン膜に劣らぬ特性をもつEO膜を湿式法で作製しうることを見いだした.膜の特性およびその膜構造との関連性について述べるとともに,同様な手法で得られるモリブデン/タングステン系EO膜の最新のデータも紹介する.