磁束の量子化は,高温超伝導体も含め,それが観測されない超伝導体はなく,最も基本的な超伝導の概念の一つである.しかも磁束量子は離散化された確定値を取るため,情報処理媒体としての潜在能力をもっている.物理的にも興味のある対象であり,これまで多くの研究解析がなされてきた.その結果を基礎として,超伝導固有の量子現象と密接に関連した新機能を実現する,単一磁束量子を用いた電子素子と回路について,素子製作と基本的特性の測定法,2値論理デバイス,人工神経回路デバイスに分けて最近の研究を紹介し,今後の方向を展望する.