核融合科学研究所が岐阜県土岐市に建設中の大型ヘリカル装置はそのプラズマ閉じ込め用の磁場をすべて超伝導コイルによって発生する世界で最初の核融合実験装置である.ここで使用する超伝導コイルは世界最大の蓄積エネルギーを持つもので,その設計,製作は超大型超伝導技術の歴史を塗り替えるものである.本稿では装置本体の超伝導マグネットシステムの構成,各要素の条件などの設計方針,および製作についての主要な点について述べている.使用する超伝導材料はひずみに強いNbTiであり,ヘリカルコイルは浸漬冷却方式,ポロイダルコイルは強制冷却方式である.電流値としては,10kA~30kAという超伝導としてはかつてない高い値となる.この装置は, 1997年に完成し年間2000時間10年間の核融合プラズマ実験を支える.